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高等学術研究院教員紹介
教員詳細
- 廣田 郷士 hirota satoshi
- 人文学研究科 准教授
研究内容

今日フランス語話者の大半は、アフリカ大陸やカリブ海、南太平洋地域など、世界各地に広がっています。私の研究は、そういったフランス国外で創られるフランス語文学の歴史的な生成過程を明らかにすることです。これまで、エメ・セゼールやエドゥアール・グリッサンといった、カリブ海地域を代表する黒人系フランス語作家らを中心に研究してきました。フランス語表現が政治的自立という課題と不可分であった彼らの文学の解明には、テクストそのものへのアプローチと同時に、歴史学的・人類学的アプローチも不可欠です。そのため、古典的なテクスト分析だけでなく、公文書館で埃にまみれたり、フィールドで汗だくになったりと、テクストの内外を行き来しています(足繁くカリブ海地域に調査・発表に出かけています)。現在は広くフランス語圏の文学・思想に関心を寄せ、様々な歴史的文脈の中で生み出されるフランス語による文学・思想・哲学の多様性について、研究しています。
今後の抱負

現在の研究テーマはエコロジーと文学の関係性です。ひとことで「エコロジー」と言っても、それが具体的に指すものは、地域や歴史や言語によって大きく異なります。環境保護という「倫理」もまた、客体化された自然に対する人間中心主義的な考え方だといえます。私の研究課題は、人間それ自体を包摂した「自然環境」と、そういった「自然環境」が人間の感性・言葉・共同体に及ぼす影響とを、個々の自然の特殊性と地域を超えた人間の普遍性とに照らして明らかにすることです。フランス文学の観点でいえば環境詩学(エコポエティック)、社会科学の観点で言えば脱植民地研究(デコロニアル・スタディーズ)、これら二つの手法を織り交ぜて、西アフリカ・北アフリカ・カリブ海地域における環境・文学・政治の関係性を総合的に解き明かすこと、これが目下の課題です。そのためにも引き続き、カリブ海や西アフリカといった、〈テクストの外〉へ、つねに向かっていきたいと思います。
研究略歴
- 2026年4月
- 神戸大学大学院人文学研究科・准教授
- 2026年4月
- 神戸大学高等学術研究院・卓越准教授
- 2023年10月
- 神戸大学大学院人文学研究科・講師
- 2022年1月
- 日本学術振興会特別研究員PD(早稲田大学)
- 2021年12月
- パリ第8大学博士課程修了(フランス語・フランス文学)