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高等学術研究院教員紹介

教員詳細

木田 森丸 kida morimaru
農学研究科 准教授
木田 森丸

研究内容

私は小さいころから川が好きでした。ただ川で遊ぶのが好きなだけでなく,水という存在そのものに,ある種の親密さを覚えています。本学農学部の土壌学研究室に入ったとき,その水の中に「溶存有機物」という成分があることを知りました。溶存有機物は,植物や微生物などがつくる非常に多様な有機分子の集まりで,生化学作用によって水の中で分解されたり,変化したりしながら,その分子組成が複雑多様化していきます。

私はこの複雑多様性が好きで研究をしています。溶存有機物の複雑多様性は水圏の様々な生態系機能の源です。この機能は,水のpH緩衝,太陽光吸収による水温や植物プランクトンの光合成への影響,従属栄養微生物へのエネルギー供給,金属イオンの溶解性上昇,果ては海洋における数千年間の炭素貯留等にまで及びます。小さな分子の集まりですが,水圏生態系を支える重要な存在です。

今後の抱負

現在は,メイントピックの一つとして,溶存有機物の複雑多様性がどのように生まれ,どのように維持されるのか,そしてそれが水圏生態系にどのような影響を及ぼすのかを研究しています。このテーマは到底一人では達成できません。そのため,(微生物)生態学,生物地球化学,同位体科学,データサイエンスなど,国内外の多様な分野の研究者と協力しながら研究を進めています。

溶存有機物の複雑多様性を知るためには,野外でサンプルを取り,ラボに持ち帰ってしかるべき処理を行い,最先端の分析手法やデータ解析手法を駆使する必要があり,ここにも取り組んでいます。

また,広く生物圏の有機物動態に興味があるため,陸域土壌やブルーカーボン生態系(マングローブ等)における有機物に関する研究も行っています。今後は研究者人口を増やすために,次世代の若手研究者に面白いと思ってもらえるような魅力的な研究を展開していきたいと思っています。

研究略歴

2026年4月
神戸大学大学院農学研究科・准教授
2026年4月
神戸大学高等学術研究院・卓越准教授
2025年4月
神戸大学大学院農学研究科・助教
2024年10月
JST創発研究者 「溶存有機物の複雑多様性から水圏生態系の動態を理解する」
2023年1月
神戸大学高等学術研究院・テニュアトラック教員(兼務)
2021年2月
神戸大学大学院農学研究科・助教(テニュアトラック制)
2019年4月
日本学術振興会海外特別研究員(ドイツ・オルデンブルク大学)「微生物由来溶存有機物の化学的多様性の解明」
2018年4月
日本学術振興会特別研究員PD(切り替え)
2018年3月
神戸大学大学院農学研究科 博士課程後期課程 修了 博士(農学)「マングローブ林生態系における天然有機物の分布特性と機能」
2017年4月
日本学術振興会特別研究員DC2「マングローブ林内土壌への有機炭素貯留における新メカニズムの提唱」

受賞・著書・論文・研究費等