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褐藻 Brown algae

ヨレモクモドキ(ヒバマタ目,ホンダワラ科)

学名:Sargassum yamamotoi T. Yoshida
生育地:潮下帯の岩上。淡路島ではしばしば群生する。
淡路島での採集地点:田ノ代海岸,大磯,佐野,由良,阿万。
生育時期:1年を通して見られる。夏から秋にかけては,藻体の上部は枯れてなくなり,付着器と茎のみとなるが,翌春には再び枝が伸長する。
特徴:付着器は盤状で,付着器から短い茎が立ち上がり,茎の頂端から数本の主枝を生じる。主枝は扁平で縁辺は平滑。藻体の下部の葉は楕円形から披針形,縁辺は滑らかか細かい鋸歯をもつ,上部の葉と比べて顕著に幅広く,下方向に反曲する。体上部の葉は線状または糸状。気胞は球形から楕円形,頂端に葉状または糸状の冠葉をもつ。冠葉をもたず,刺状あるいは短い突起をもつこともある。高さは1-2 m。

ヨレモクモドキ Sargassum yamamotoi

【淡路市岩屋田ノ代海岸;2020年7月2日(写真:鈴木雅大)】

潮下帯の岩上に生育し,しばしば群生する。

ヨレモクモドキ Sargassum yamamotoi

【洲本市由良;2023年6月4日(写真:鈴木雅大)】

ヨレモクモドキ Sargassum yamamotoi

【付着器と体下部の葉(写真:鈴木雅大)】

付着器は盤状。基部近くの葉は,上部と比べて顕著に幅広い。

ヨレモクモドキ Sargassum yamamotoi

【主枝と気胞(写真:鈴木雅大)】

主枝は扁平で縁辺は滑らか。気胞は球形から楕円形。

ヨレモクモドキ Sargassum yamamotoi

【体上部の葉(写真:鈴木雅大)】

体上部の葉は線状または糸状。


参考文献
川井浩史 著.2001. 神戸の海藻~神戸・淡路地域の海藻~.神戸市体育協会.
島袋寛盛 2019. 日本産温帯性ホンダワラ属 14回目:ヨレモクモドキ.海洋と生物 41 (3): 261-265.
牛原康博 著.2008. 淡路島の海藻.自費出版.