Aonuma Lab

Our lab

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研究テーマ

1)昆虫の闘争行動:「負ける」の神経生理メカニズムについての研究 
2)社会性昆虫(アリ)の役割分担に応じた攻撃性の調節メカニズムについての研究
3)昆虫の超高加速度運動の制御メカニズムについての研究
4) 昆虫の脅威刺激に対する応答と行動制御の神経メカニズムについての研究
5)電磁場が環境ストレスとして昆虫の行動や神経系に与える影響(ストレス応答)についての研究
など

Synthetic Neuroethology

神経行動学
私たちは,適応的な行動が実時間で実現される脳機能の解明をめざしています.神経細胞が相互に信号をやり取りする神経回路網は,どの様にして感覚信号の中から情報を抽出し,記憶と照合し,運動系を制御する信号を生成するのだろうか? 私たちは,神経細胞から脳を組み立てる設計原理を明らかにするため,神経細胞の数が少なく構造も簡単な昆虫の神経系について,分子神経生物学,神経生理学及びニューロロボティクスなど手法を使い総合的に研究を進めています.  刻一刻と変化する環境は、適応的な行動を発現する重要な要因である。動物は周囲の環境から様々な刺激を受容し知覚します.ところが,知覚される環境は、動物の種の違いや同種であっても個体がおかれている状況に応じて異なる意味をもち,行動主体の行動の発現を拘束します.また,普遍的な環境である時間や空間ですら,行動する主体や状況に応じて異なって知覚されます.何が“知覚”を変え,行動を変えるのか,その基盤には何があるのか?環境知覚と行動の関連を解明するためには,行動主体にとっての環境の意味をまず理解する必要があります.そして,知覚された情報が脳でどのように処理され行動の発現につながるのかをシステム的に理解する必要があります.  従来の要素分析的に積み上げるボトムアップ的なアプローチによる分子・細胞・神経回路網・行動といった各階層における詳細な実験結果にもとづいて動的システムモデルを構築し,その計算機シミュレーションを行うことで,適応行動の発現を司る脳・神経系の構造と機能についてシステム的に理解する研究を進めています.
 
 

学部生・大学院生のみなさんへ 

研究室では昆虫を使って行動学,電気生理学, 生化学, 分子神経生物学,イメージングなどの様々な実験を行って研究を進めていきます.また,実験結果をもとに動的モデルを構築し,その妥当性について計算機シミュレーションと動物実験の検証する構成論的なアプローチも取り入れています.
まずは,自分の頭で考え,何が問題なのかを発見し,解決するための仮説を立て,それを検証して結論を導き出していくプロセスを身につけてください.

研究を進める上でのルール


実験ノートについて

研究を始める前に,実験ノートが渡されます.実験ノートは個人の記録ではなく,研究室で行われた研究の記録なので大切に保管されなければなりません.
* 実験の統べては,与えられた実験ノートに記入し,修了時には研究室に残しておくこと.自分の内容はコピーしても構いません.
* 実験ノートは,必要に応じて他人に見せるものです.自分だけしか分からない書き方では実験の記録にはなりません.自分だけが分かっていても,時間がたてば細かな内容はすぐに忘れてしまいます.
* 実験ノートへは単語の羅列ではなく明確な文章で書くこと.着想,実験の目的,実験に必要なもの,実験に手順,その日の実験条件,予想される結果,実際の結果,考察,文献,図表などなどで分かりやすく書く.
* 実験ノートへは原則,英語で記入する.外国人が見ても分かるように.


実験

* 実験室は決して広くはありません.また,たくさんの機械や化学物質があります.従って,実験を行う際は動きやすい服装で実験を行うようにしてください.
* 機材を使う前には必ず使用マニュアルを熟読し,使い方を理解してから使ってください.本来の目的にそぐわない使い方は事故や故障の原因になります.
* 実験で化学薬品を使用するときは,「安全の手引」に従って使用してください.また,使用後に廃棄する際もルールがあります.研究室では毎年安全講習を行うので必ず受講し,安全に研究を進めてください.
*実験室での飲食は厳禁です.


実験動物

実験動物は私たちに多くの知識を提供してくれます.大切に育てて研究に使ってください.
実験動物の扱いは,動物実験マニュアルに従ってください.


挨拶

私たちの研究室には,共同研究で他大学の先生方や大学院生がやってきます.挨拶は研究をスムーズに進めるための第一歩です.