研究部門

微生物発酵後の培養液からの発酵代謝物の選択的分離

  • 荻野 千秋
  • 中川 敬三

微生物による発酵の後、発酵液から目的の代謝産物を選択的に分離(濃縮)する事は、物質清算を経済的に考えると、非常に重要な技術です。
一例ですが、酵母菌によるアルコール(エタノール)発酵は、近年、燃料として使用されるバイオエタノールの需要の増加に伴い、低コストで実施できるように、色々な技術開発が求められております。酵母菌によって培地中に生産されるエタノール濃度は約5~7%程度であり、ガソリンに混合するには99%以上の濃度まで濃縮(脱水)する必要があります。一般的には、相変化を伴う蒸留をすれば良いと思われがちですが、これでは、エネルギー(コスト)がかかってしまい、経済的に見合いません。そこで膜分離を用いることで、経済性の上でもコストが見合った、エタノール分離技術が近年注目を集めております。
本研究では、エタノールに限らず、様々な微生物発酵物質の発酵培地中からの分離(濃縮)を膜分離にて検討しております。

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