センターの強み・特色
センター長 兼
工学研究科 教授
松山 秀人
先端膜工学研究センターの前身「先端膜工学センター」は、膜工学に特化した研究と教育を行う日本初そして唯一の研究センターとして2007年4月、神戸大学大学院工学研究科に設立されました。
2019年4月、工学のみならず、科学技術イノベーション・理・農・海事科学の各研究科と連携し、分野融合型の研究を行うべく「先端膜工学研究センター」と改名し、神戸大学の全学組織として改組されました。改組に伴い、各種分離膜・電子材料を指向した薄膜の創製のために、研究部門に膜材料合成化学研究部門を新設、また、研究成果を産業へ応用するために膜技術社会実装部門を設置しました。更に、先端膜工学研究推進機構と密に連携を取りながら、産業界のニーズを教育・研究に反映させるとともに、膜センターで得られた成果の早期社会実装にも取り組んでいます。
一方、膜センター設立時より海外の膜研究拠点との交流・連携を通じて、国際的な共同研究にも取り組んでおり、2022年4月には、研究成果の国際発信力強化のために国際共同研究推進部門を新設しました。更に、研究部門においては、SDGsの早期実現と2050年のカーボンニュートラルに向けた取り組みとして研究部門を統合し、更なる分野融合による基礎学理の構築と応用に資する教育研究および新規膜技術の研究開発を進めています。
今後も、本センターは、膜工学の最先端レベルの研究開発を進め、世界の環境・エネルギー問題の解決に貢献できる膜工学研究センターを目指してまいります。
先端膜工学研究推進機構との連携
先端膜工学研究推進機構は、膜工学に関する先端研究と人材育成の両面で、膜センターの産学連携を推進することを目的として、2007年7月に設立されました。先端膜工学研究推進機構は主に企業会員(現在約80社)を中心に構成されており、2013年4月からは一般社団法人として活動を行っています。 膜センターは膜機構を通じて、研究成果を企業会員へ普及し、個別のテーマについても企業会員との連携の促進に努めています。これらを通じて、膜センターの研究と教育に産業ニーズを反映させています。 このように大学組織である膜センターと、企業と大学の橋渡しを担う学外組織である膜機構とが機能的に連携することで、膜工学分野で世界最先端の研究を実施するとともに、企業ニーズを取り込んだ産学連携・共同研究にも注力しています。
海外膜センター・研究機関との連携
先端膜工学研究センターは2007年の設立以来、国際的な学術的連携を築く事に意欲的に取り組んでおり、現在、9カ国、15機関の海外の著名な膜研究センター・研究機関と学術および研究協力の協定を締結しています。この大規模なネットワークのもと、膜センターでは毎年、協定締結先機関の研究者を神戸大学に招いて膜国際ワークショップを開催しています。膜国際ワークショップを通じて、最新の膜研究の動向に関しての見識、最新の研究成果を共有し、海外の最先端膜研究の情報収集を積極的に展開しています。
また、協定締結先機関との交換留学・研究者派遣により若手人材の育成を行うとともに、国際共同研究に取り組み、多くの国際共著論文を発表し続けています。
経済産業省「J-Innovation HUB」拠点に選抜
先端膜工学研究センターは2020年12月に経済産業省「J-Innovation HUB 地域オープンイノベーション拠点選抜制度(国際展開型)」に採択されました。本選抜制度は、大学等を中心とした地域イノベーション拠点の中で企業ネットワークのハブとして活躍している産学連携拠点を評価・選抜することにより信用力を高めるとともに支援を集中させ、トップ層の引き上げを促すものです。当初の採択期間は3年間でしたが、国際共同研究等の実績が評価され、2022年12月に3年間の延長(2025年度末まで)が認められました。この制度のもと、経済産業省予算事業の連携強化を受けるとともに、2023年3月には同省「地域の中核大学等のインキュベーション・産学融合拠点の整備(大学等向け)に係る補助事業(Jイノプラ2)」に「バイオメディカルメンブレン研究・オープンイノベーション拠点(J-イノベHUB棟)」新棟設置が採択されました。この新棟では、バイオメディカル分野を中心に産学共同研究やオープンイノベーション等を予定しています。2024年9月の利用開始を予定しています。
最近における特記事項
- 2023年度年次報告書
- 2022年度年次報告書
- 2021年度年次報告書
- 2020年度年次報告書
- 2019年度年次報告書
- 膜センター主催のイベント
- 膜機構と共催のイベント