研究部門
膜材料合成のための有機合成反応開発
- 岡野健太郎
- 山口 渉
有機分子の構造設計においては,炭素-炭素結合を効率よく形成することは複雑な分子骨格を構築する上で極めて重要な問題です。とくに,芳香族化合物どうしで炭素-炭素結合を生成しπ共役系が拡張した分子を合成することは,電子材料となり得る有機薄膜を形成するための素材調製には重要な役割を果たします。本研究では,パラジウムやニッケルなどの遷移金属錯体を触媒として用い芳香族化合物どうしで炭素-炭素結合を生成するクロスカップリングの新反応開発に取り組んでいます。
最近では,五員環ヘテロ芳香族化合物誘導体であるチオフェンやチアゾール、さらにオキサゾールやイミダゾールと芳香族ハロゲン化物とのクロスカップリング反応において,分子内で炭素アニオンとハロゲン置換基が入れ替わるハロゲンダンスを利用すると,複数の芳香族置換基をヘテロ芳香環内に一挙に導入し,多置換ヘテロ環誘導体を極めて効率的に合成することに成功しています。また、従来では困難であった六員環ヘテロ芳香族化合物であるピリジンについても同様にハロゲンダンスの進行および置換基の導入が効率的に進行することを見出しています。


