極域協力研究センター(PCRC)について

極域協力研究センター(PCRC)は、2015年10月、神戸大学大学院国際協力研究科(GSICS)の中に北極域研究推進プロジェクト(ArCS)の実施機関として設立されました。PCRCはArCSの下での任務を成功裏に完遂し、2020年3月に実施された外部評価(評価書はこちら)の結果、神戸大学は後継である北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)を実施するため、またPCRCの研究範囲を拡大して、さらに5年間センターを維持することを決定しました(2020年4月〜2025年3月)。PCRCは今後、南極条約体制に関する研究も推進していきます。PCRCは柴田明穂センター長が率いる世界有数の極域法の研究拠点となっており、毎年、世界中の専門家や若手の研究者が集まり、国際シンポジウム、ワークショップ、セミナーを開催して極域に関する今日的課題について議論しています。その研究成果は、日英両言語で発表されています。

第13回極域法国際シンポジウムで挨拶する
柴田明穂センター長(2020年11月)

研究概要

ArCS IIでは、「北極域の持続可能性を支える強靭な国際制度の設計と日本の貢献」(国際法課題)の研究課題代表(PI)に柴田センター長が就任し、約15人の主に日本の国際法研究者と共に、最近の北極域での自然環境的・社会経済的な急激な変化および地政学的な緊張に適応できる国際法制度のあり方を示し、北極域へのアクセスを計画するすべてのステークホルダーに安定と予測可能性をもたらすことを目標にしています。北極域における法の支配の維持と強化は、我が国の北極政策の支柱でもあります。本研究課題は、北極国際法政策に関する実証研究に基づき、変容する北極域の持続可能性を支える強靭な国際制度の設計図を具体化します。

これらの研究成果は、定評ある国際的学術雑誌、柴田明穂センター長が共同編集代表を務める世界で唯一の極域法専門年鑑 Yearbook of Polar Law、そして学術書籍にて公表します。また、ArCS IIの下で日本や国際社会のステークホルダーに対して研究成果を発信する手段として、ブリーフィングペーパーシリーズ(BPS)を発刊します。引き続き、PCRCワーキングペーパーシリーズも活用します。PCRCは、メンバーとともに他の北極関連の研究にも取り組んでいます。

南極条約体制に関する法政策的研究もPCRCの強みです。柴田センター長は日本でも数少ない南極条約体制研究者の一人であり、南極条約に関する学術界および外交界の両方で国際的に著名な専門家です(現場主義に立った南極条約研究について、こちらの記事をご覧ください。)2021年秋、アジアでは初めて、PCRCは世界的な南極研究の調整・促進団体である南極研究科学委員会(SCAR)の下にある人文社会科学常設委員会(SC-HASS)の学術隔年会合を主催します。PCRCは、柴田センター長の国内外の学術界及び政府とのネットワークを駆使して、国際的には、SC-HASSのPolSciNex研究グループや南極条約体制のレジリエンスに関する書籍出版プロジェクト、国内では、「南極をめぐる科学と国際動向を考える研究会」などの南極に関する国際法政策研究を主導しています。日本は、2025年度ごろに開催される南極条約協議国会議(ATCM)を主催することが予定されており、ATCMの議題にかかわる政策志向の法的研究がこれまで以上に重要になっています。

 Field research near Mt. Riiser-Larsen, East Antarctica (2017)
東南極リーセルラルセン山付近の
現地調査(2017年2月)
SC-HASS academic meeting in Ushuaia, Argentina (2019)
アルゼンチン・ウシュアイア開催の
SC-HASS学術会合の様子(2019年4月)

メンバー & 事務局

PCRCセンター長

柴 田 明 穂

Akiho SHIBATA

主要研究分野:国際法、北極国際法、南極条約体制、国際環境法、国際法形成過程論。現在、国際北極科学委員会・社会人間作業部会(IASC-SHWG)委員、南極研究科学委員会・人文社会科学常設委員会(SCAR-SCHASS)執行理事。





PCRC特命助教

古 畑 真 美

主要研究分野:国際法、国際航空法







PCRC研究員

稲 垣 治

主要研究分野:国際法、極域国際法、条約法







PCRC事務局

増 田 和 歌 子

派遣元:(株)ポラリス・セクレタリーズ・オフィス