極域協力研究センター(PCRC)について
極域協力研究センター(PCRC)は、2015年10月、神戸大学大学院国際協力研究科(GSICS)の中に北極域研究推進プロジェクト(ArCS)の実施機関として設立されました。PCRCはArCS及びその後継プロジェクトの北極域研究加速プロジェクト(ArCS II
)の下での任務を成功裏に完遂し(2020年外部評価書
)、2025年4月より、JSPS先端研究拠点形成事業A型「地球益実現に向けた南極ガバナンス国際研究拠点構築」の下で、南極条約体制に関する研究を推進していきます。PCRCは柴田明穂センター長が率いる世界有数の極域法の研究拠点となっており、毎年、世界中の専門家や若手の研究者が集まり、国際シンポジウム、ワークショップ、セミナーを開催して極域に関する今日的課題について議論しています。その研究成果は、日英両言語で発表されています。
研究概要
南極条約体制に関する国際法政策的研究が、極域協力研究センター(PCRC)の強みです。柴田明穂センター長は日本でも数少ない南極条約体制研究者の一人であり、南極条約に関する学術界および外交界の両方で国際的に著名な専門家です(現場主義に立った南極条約研究について、こちらの記事をご覧ください)。これまでの南極条約体制研究の集大成に向けて、2025年4月にはJSPS先端研究拠点形成事業「地球益実現に向けた南極ガバナンス研究」が採択されました。日本は、2026年5月に広島市で開催される南極条約協議国会議(ATCM)
を主催し、ATCMの議題にかかわる政策志向の法的研究がこれまで以上に重要になっています。そうした中で、国際法政策研究者、南極科学者、そして南極条約関係省庁の担当者が集まる「南極をめぐる科学と国際動向を考える研究会」を2018年から継続的に開催しています。2021年秋、アジアでは初めて、PCRCは世界的な南極研究の調整・促進団体である南極研究科学委員会(SCAR)の下にある人文社会科学常設委員会(SC-HASS
)の学術隔年会合を主催しました。
PCRCでは、ArCS 及びArCS IIで実施してきた北極域に関する国際法政策研究を、国際極域法(international polar law)研究の一環として継続します。この研究は、柴田センター長が共同主催者を務める世界で唯一の極域法専門学術団体Polar Law Symposiumとその年鑑に関与しながら進めます。柴田センター長は定評ある極域法政策の国際学術誌Polar Record
(Cambridge UP)やThe Polar Journal
(Taylor & Francis)などの編集委員も務めています。


メンバー
PCRCセンター長

主要研究分野:国際法、北極国際法、南極条約体制、国際環境法、国際法形成過程論。現在、国際北極科学委員会・社会人間作業部会(IASC-SHWG)委員、南極研究科学委員会・人文社会科学常設委員会(SCAR-SCHASS)執行理事。
PCRC研究員

主要研究分野:: 国際法、極域国際法、条約法