2023年3月30日
第25回PCRC国際法セミナーとして、「延長大陸棚の境界画定:中央北極海のシナリオ」を開催します。スピーカーは、ロシア出身で、現在ドイツ・ハンブルグ大学ポスドクフェローのエカテリーナ・アンツィジーナ博士です。この研究報告では、今年2月にロシアが国連の延長大陸棚限界委員会に提出した新たな情報を踏まえて、中央北極海において申請が重複しているカナダ、デンマーク、そしてロシア間の延長大陸棚の境界画定のあり得べきシナリオを語って頂きます。本件は、ロシアによるウクライナ侵略後も、北極沿岸国が国連海洋法条約の諸規定に従って協力して行動している例でもあります。
2023年3月27日
柴田明穂センター長は、同大学客員教授のティモ・コイブロヴァ教授との国際共著論文「2022年ロシアによるウクライナ侵略の果てに:ロシアと北極に関する国際協力はまだ可能か?」をPolar Record誌に発表しました。北極ガバナンス研究の第一人者であるコイブロヴァ教授と、国際法制度形成過程を研究してきた柴田教授の知見が共創した国際共同研究の成果として、ウクライナ侵攻後における北極域に関するロシアとの政府間協力が、いかなる国際法政策的環境の下で継続できているのかを分析し、将来の見通し等についての研究成果を発表しました。極域研究に特化した学術誌として学術界でも定評のあるPolar Record誌に掲載した本共著論文は、世界が注目する論稿となっており、世界的なインパクトを与えるものと期待されます。詳細はResearch at Kobeをご覧ください。
2023年3月10日
神戸大学大学院 国際協力研究科 極域協力研究センター (PCRC) では、ArCS II国際法制度課題研究成果の一環として、世界で唯一、北極と南極にフォーカスした国際法政策研究を査読付き論稿として掲載する学術年鑑である“極域法年鑑 (Yearbook of Polar Law) 第14巻”に北極ガバナンスの現状と課題につき異分野共創研究を通じて鋭く考察する4本の論稿を発表しました。「北極域とArCS IIの貢献」と題する特別セクションを設け、これまでの国際共同研究の成果をまとまった形で発表しました。セルグーニン教授との国際共著論文の中で、柴田教授は、北極科学協力協定を活用して、ロシアによるウクライナ侵攻後も、研究者個人レベルでの北極学術研究を進める可能性を示唆しています。 詳細はResearch at Kobeをご覧ください。
2023年2月10日
3月13日(月)14時より神戸大学PCRCにおいて、第24回PCRC国際法セミナーを開催します。「極域における国際法の将来像: ガバナンスとグローバルな挑戦」と題して、極域ガバナンスにおける国際法の役割につき議論します。アイスランド・アクレイリ大学 エイヨルファル・グルームンソン学長による北極科学外交の重要性に関する発表の後、デンマークとイギリスの若手研究者と准教授による研究発表と議論を予定しています。本セミナーは現地開催のみとなりオンラインでの配信はありません。事前に下記URLよりご登録いただき、是非、会場に足をお運びください。参加申込は2月28日(火)まで受け付けています。
2023年1月24日
デンマーク・コペンハーゲン大学博士課程のアナ・ステラ・エバスマイヤーさんが1月31日に神戸大学PCRC学術研究員として着任されます。PCRCにおいては「北極海運におけるブラックカーボン排出量の規制の実施主体に関する国際法上の研究」を主テーマとして、国際法、気候変動法についての研究をされる予定です。この滞在期間中には、3月に東京で開催されるISAR-7、また、神戸大学PCRC主催で3月13日に実施するセミナー「ガバナンスとグローバルな挑戦:極域における国際法の将来像」において、北極海航路におけるブラックカーボン排出規制に関する国際法についての研究報告を行う予定です。
2023年1月17日
神戸大学大学院国際協力研究科・極域協力研究センター(PCRC)では、極域などの地球フロンティア分野を題材に関連する国際法、国際関係論、国際ガバナンスを研究し支援する学術研究員を募集します。雇用期間は、2023年4月以降着任で、最長2025年3月末までを予定しています。ロシアによるウクライナ侵略を含め国際秩序のあり方が大きく問われている時に、その最先端の事例となる北極や南極といった地球フロンティア分野の国際ガバナンスの将来につき、PCRCで一緒に研究をしてみませんか。国内外の専門家や実務家との刺激的な議論に接する機会も多くあります。応募をお待ちしています。
JREC-IN
2023年1月13日
2023年3月2日(木)17時から、第23回PCRC国際法セミナーを開催します。米国ウィルソンセンター上級研究員のEvan Bloom氏(前・米国国務副次官補)を基調講演者に迎え、2022年10月に公表された米国北極戦略を中心に、激変する国際情勢の中における今後の極域ガバナンスのあり方や、そこにおける米国、日本、ロシア、中国の役割等について講演いただきます。その後、Timo Koivurova神戸大学客員教授等との討議を行います。本セミナーは神戸大学国際協力研究科で現地開催いたします。豊富な外交交渉経験を持つ専門家の話を直接聞ける貴重な機会です。多くの皆様のご参加をお待ちしております。会場準備のため、【2月28日(火)まで~延長しました~】に事前登録をお願いします。詳細はビラをご覧下さい。
2023年1月13日
【延長しました~発表投稿期限:2月10日(金)】
東京で開催される北極イベント(3月4-6日:Arctic Circle Japan Forum, 3月6-10日:ISAR-7)に合わせて、PCRCでは2つの国際セミナーを企画しています。いずれも公開で、神戸大学を会場として対面で開催します。是非、発表・参加をご計画下さい。3月2日(木)のセミナーでは、米国Wilson Center上級研究員のEvan Bloom氏を基調講演者にお迎えする予定です。3月13日(月)のセミナーは、「ガバナンスとグローバルな挑戦:極域における国際法の将来像」と題して、北極と南極に関わる国際法、国際政治学、安全保障の分野の研究者・実務家・ステークホルダーに集まっていただき、発表と議論を展開する予定です。後者については、【2月10日(金)〆切】で発表希望を受け付けています。詳しくは画像をクリック下さい。
2022年11月22日
GSICS創設30周年記念、神戸大学創立120周年記念の一環として、PCRC南極公開シンポジウム・シリーズ第2弾「変化する国際情勢と南極協力のゆくえ」を12月2日に開催します。オーストラリア国立大学Donald Rothwell教授をキーノートスピーカーにお迎えし、森下丈二教授(東京海洋大学)、Timo Koivurova教授(フィンランド・ラップランド大学/神戸大学客員教授)、柴田明穂PCRC所長が登壇し、ロシアによるウクライナ侵略など国際情勢が激変する中での南極地域を平和と科学に貢献する自然保護地域にするとした南極条約体制(ATS)の課題と今後について講演します。また中村卓司所長(国立極地研究所)、Patrizia Vigni准教授(イタリア・シエナ大学)、Zia Madani研究員(神戸大学)といった世界中の専門家による話題提供を受け、南極協力をいかに継続できるかにつき、議論します。なお、本シンポジウムはすべて英語で行われます。参加申し込みは11月28日まで、シンポジウムホームページで受け付けております。
2022年11月11日
11月4日、日本学術振興会(JSPS)ポスドク外国人研究員として、PCRCで研究中のZia Madani博士が、甲南高等学校(兵庫県芦屋市)で「サイエンス・ダイアログ」を行いました。「サイエンス・ダイアログ」は、JSPSのフェローシップ制度で滞在中の優秀な若手外国人研究者を講師として高等学校等に派遣し、自身の研究や出身国に関する講義を英語で行うプログラムです。Madani博士は、"My Journey as a Polar Law-Science-Policy Researcher"というテーマで、ご自身の生まれ故郷であるイランの食文化・芸術、カナダでの生活、南極や北極における環境問題や法政策的な課題などを高校生に向けて英語で講義をしました。甲南高校生には、Madani博士のバックグラウンドや研究の魅力が伝わり、有意義な講義となりました。PCRCの地域貢献活動としても、注目されます。講義の様子は、甲南高等学校のHPでも大々的に紹介されています。こちらをご覧下さい。
2022年11月4日
2022年11月28日(月)17:00から、第22回PCRC国際法セミナーを開催します。スピーカーは、11月1日より2023年3月31日まで神戸大学客員教授としてPCRCに滞在中のティモ・コイヴロバ先生です。コイヴロバ先生は、フィンランド・ラップランド大学教授で、北極国際法の専門家です。本セミナーでは、ロシアによるウクライナ侵略後の北極ガバナンスの変わりゆく形とそこにおけるフィンランドの役割について、また、先月10月に公表されたフィンランド政府委託の報告書も踏まえて、北極評議会やフィンランドのNATO加盟の意義についてもお話しいただきます。コイヴロバ先生と直接交流できる貴重な機会ですので、ぜひご参加ください。詳しくはビラをご覧ください。
2022年11月1日
神戸大学国際共同研究強化事業C型の支援の下、フィンランド・ラップランド大学北極センター教授のティモ・コイヴロバ先生を、神戸大学客員教授として受け入れています。11月1日から来年3月末までの5ヶ月間です。その間、PCRCにおいて、「ウクライナ侵攻後の極域ガバナンス体制のレジリエンス研究」というテーマの下で、共同研究と教育に携わっていただきます。ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中で、ロシアが重要なプレイヤーである北極及び南極の国際ガバナンスのあり方がどう変化していくのか、公開セミナーなど注目のイベントが目白押しです。乞うご期待。
2022年10月6日
10月12日から16日までレイキャビックで開催される標記2つの国際会議に、PCRCより柴田センター長とマダニ博士、そして神戸大学の修士課程院生6名が参加し、研究発表をしてきます。各会議のプログラム案は、画像をクリックして閲覧できます。なかでもハイライトは、約2000人が参加する世界最大の北極ステークホールダー会議であるアークティック・サークル総会で、柴田センター長が主催するセッション「Japan’s Contribution to the Central Arctic Ocean Agreement: Science, Indigenous knowledge, Rule of Law」です。このセッションは、ArCS II国際法制度課題が海洋課題の協力も得て設置し、いよいよ実施段階に入った中央北極海公海無規制漁業防止協定につき、ロシア侵略後の状況変化も踏まえて、日本が科学的知見や国際法研究でいかなる貢献ができるか、科学的知見と先住民族の知識とをいかに統合して協定の実施に役立てるか、などにつき討議します。第15回極域法国際シンポジウムでは、GSICS学生も研究報告します。10月9-11日には、アクレイリにあるアクレイリ大学、北極評議会の2つの作業部会事務局でも意見交換してきます。学生達の活躍の様子は、GSICSの公式インスタグラムでも配信しています。
2022年9月22日
2022年9月28日(水)17:00から、第21回PCRC国際法セミナーを開催します。対面を基本としますが、オンラインからの視聴も可能にします。オンライン視聴ご希望の方は、前日までにPCRCの古畑までご連絡下さい。ZOOM URLをお送りします。
スピーカーは、9月9日より30日までJSPS招へい外国人研究者としてPCRCに滞在中のキース・バステマイヤー先生です。バステマイヤー先生は、9月1日よりグローニンゲン大学教養学部の北極センターに移籍され、北極・南極研究教授に就任されています。南極条約協議国会議(ATCM)には、オランダ代表団の一員として毎年参加されており、ATCMの意思決定過程の現場感覚もお持ちです。今次セミナーでは、ATCMにおけるコンセンサス決定の意義と課題につき、南極観光規制の事例を題材としてお話いただきます。バステマイヤー先生と直接交流できる貴重な機会ですので、ぜひご参加ください。詳しくはビラをご覧ください。
2022年9月12日
日本学術振興会(JSPS)招へい外国人研究者及び神戸大学招へい教授として、Kees Bastmeijier先生が9月30日までPCRCで共同研究を実施されます。研究テーマは、「南極条約体制における意思決定とソフトローの役割」です。Bastmeijier先生は、2022年9月1日より長年勤めておられたティルブルグ大学からフローニンゲン大学に移籍され、同大学教養学部にある北極センターのセンター長に就任されており、今後のPCRCとの学術協力関係の構築に期待が膨らみます。写真は、GSICS前で、同じくJSPSのポスドクフェローとして滞在中(2021年11月〜2023年10月)のZia Madani博士と一緒です。
2022年8月17日
稲垣治博士とZia Madani博士は、今年2月から3月にかけてArCS IIとハーバード大学が共催した北極科学外交ウェビナーシリーズのラポルツールとして、この度、その成果と教訓を包括的にまとめた重要で示唆に富む報告書を、他の関係者との共著として発表しました。ロシアによるウクライナ侵略にも関わらず、北極科学の専門家たる基調講演者と49カ国からの参加者は、包摂的に北極科学協力の課題について活発に議論しました。その教訓の一つは、国際北極科学協力を強化するためには、北極圏国と非北極圏国の科学者、先住民族、若手研究者、政策決定者、研究費助成機関など関連する利害関係者の間での包摂的な対話の継続が必要不可欠だということです。報告書は、自由にダウンロード可能です(画像をクリック下さい)。この報告書の要約和訳が作成されました。こちらからダウンロード可能です。
2022年8月5日
The Polar Journalは、Taylor & Francis社から年2号発刊されている比較的新しい極域専門誌(2022年が12巻目)ですが、人文社会科学系に特化しており、CiteScore (Scopus) 最上位Q1に位置づけられている近年注目を集める英文雑誌です。この度、柴田センター長が、当該編集委員会(editorial board)メンバーに就任しました。The Polar Journalはまた、SCAR人文社会科学常設委員会(SC-HASS)とも連携しており、同委員会が企画するアクショングループやセミナーなどの研究成果を発表する媒体にもなっています。なお、柴田センター長は他に、ブリル社発刊のYearbook of Polar Lawの共同編集委員長、ケンブリッジ出版会発刊のPolar Recordの編集諮問委員も務めています。
2022年7月25日
8月1日から開催されるSCAR Open Science Conference (OSC)に、南極国際動向研究会が提案していたセッション「人新世における南極条約体制の強靭性」が採択され、柴田センター長は「侵略と南極条約体制:南極例外説の終焉か?」、マダニ上級研究員は「ロシアによるウクライナ侵攻と南極条約体制の強靭性」、稲垣研究員は「南極条約体制における累積的影響概念の展開」と題して報告する他、同研究会のメンバーの多くが研究報告を行います。会議は完全オンラインで、登録無料です。詳細は、南極国際動向研究会のページをご覧下さい。SCAR OSCの登録はこちらより。https://app.scar2022.org/login.php
2022年6月28日
6月14日欧州議会外交委員会の公聴会において、米国ウィルソンセンター上級研究員のEvan Bloom氏が「南極ガバナンスの組織的枠組とその将来」と題して意見を述べました。Bloom氏は、南極外交を検討する上で南極条約協議国会議(ATCM)と南極海洋生物保存委員会(CCAMLR)の動向を統合的に検討する必要性を説きます。南極条約体制の現時点の課題として、気候変動下の南極環境保護、海洋保護区設置を含む漁業管理、環境責任附属書VIの未発効などを挙げつつ、資源問題への対応につきロシアと中国の反対姿勢が状況を難しくしていると分析します。コウテイペンギン保護措置に中国が反対するなど、南極条約体制におけるコンセンサスは益々難しくなっており、ウクライナ状勢もATCMの運営に困難を投げかけていること(ベルリン会合ではウクライナは対面参加、ロシアはオンライン参加、最終報告書採択にロシアが反対など)、そして10月のCCAMLRでは漁獲量さえ合意できない可能性があること、などを指摘しています。Bloom氏の発言全文はこちらからダウンロードできます。
2022年6月24日
6月17日、2つの興味深いネット記事が発表されました。いずれも北極評議会(AC)の将来のありうべき姿を暗示するものであり、水面下で北極圏7ヶ国とロシアとの間で激しい駆け引きが行われていることを物語っています。1つはブルッキングス研究所研究員へのインタビュー記事で、ロシア抜きで一部のAC作業を再開するとした北極圏7ヶ国の今後の動きが、ロシアのACからの脱退に導く可能性、もう1つはACの高級北極実務者会合議長であるロシアのコルシュノフ大使のシンポジウムでの発言を紹介した記事で、ロシア抜きのACは意味がなく、今後はBRICS諸国などの非北極圏国と共に「北極協力をグローバル化する」方策につき指摘しているものです。この2つの記事を紹介した稲垣博士の分析をご覧下さい。
2022年6月9日
6月8日、ロシアを除く北極圏7ヶ国は北極評議会のプロジェクトを、ロシア抜きで再開すると発表しました。同7ヶ国は、ロシアによるウクライナ侵略直後の3月3日、北極評議会の活動を一時停止すると発表しつつ、同評議会の活動が特に北極先住民族等にとって重要であるとして、活動継続に向けた必要な方策(necessary modalities)について検討するとしていました。今回の声明は、その「方策」の第一段となります。詳しくはこちらの分析記事をご覧下さい。
2022年6月8日
ロシアによるウクライナ侵攻に伴い、日本国内の大学等においてもロシア・ロシア人研究者を締め出す動きが出ています。そのような中、PCRCが5月24日に発表したプレスリリース「ウクライナ侵略後の極域科学外交のあり方について ― ロシアとの対話を継続する重要性 ―」を見た産経新聞記者からの取材を受け、柴田センター長が北極域研究におけるロシア排除の現状について語りました。内容は、6月1日ウェブ記事(有料)「研究の世界で進むロシア排除 北極圏や宇宙開発などでは影響も」及び6月2日朝刊紙面「露排除 学術分野で支障も 北極圏研究・宇宙開発に知見」に掲載されています。
2022年5月30日
5月24日にドイツ・ベルリンで第44回南極条約協議国会議が予定どおり対面(オンライン併用)で開催されました。ロシアによるウクライナ侵略からちょうど3ヶ月、両国が対等に意思決定権を有する多国間条約外交会議で議論する希有な機会となりました。日本、米国、英国、中国、インド、フィンランド、スウェーデンなど、ウクライナ危機後のキー・プレイヤーも協議国として参加しています。日本は4年後の2026年に、この会議をホストする予定です。会議の詳細や事実関係はまだ学術的に検証できる段階ではありませんが、ウクライナ代表団長の出身母体である教育科学省HPで公表された情報及び会議主催国であるドイツ外務省HPで公開されたモーガン外務副大臣兼気候問題特使の会議冒頭挨拶文から、柴田センター長が読み解きます。こちらをご覧ください。
2022年5月25日
神戸大学大学院 国際協力研究科 極域協力研究センター (PCRC) では、ウクライナ侵略後の極域法秩序のあり方について研究しています。この度、米国ハーバード大学と共催した国際ウェビナーの成果として、ウクライナ侵略後においても、ロシア人研究者を含めた北極科学外交に関する対話を継続する必要性を訴えた柴田明穂センター長らの研究グループのCorrespondence記事が、4月28日にNature誌に掲載されました。詳細はResearch at Kobeをご覧ください。
2022年5月23日
5月4日、オンラインニュースサイト、High North Newsに米国ブルッキングス研究所研究員Jeremy Greenwood氏による北極評議会の今後に関する記事が掲載されました。米国政府に近い専門家による記事であり、その内容は北極評議会が実際にどうなるかにつき貴重な示唆を与えています。この記事は、北極協力の継続を可能にする「必要な方策」につき、いくつかの政策オプションを具体的・実務的に提示しています。これを稲垣治・PCRC研究員が解説し、分析します。こちらから閲覧・ダウンロードできます。
2022年5月19日
2022年5月17日(火)、JSPS招へい外国人研究者・神戸大学大学院国際協力研究科 招へい教授のアレクサンダー・セルグーニン教授(ロシア・サンクトペテルブルク大学教授・国際関係論)によるGSICS特別セミナー/第20回PCRC国際法セミナーを開催しました。本セミナーはGSICSの授業の一環として対面にて行われました。セミナーでは、ウクライナ危機後の北極国際協力への影響と残された可能性につき幅広く議論が行われました。参加した学生からは、このような困難の中でこそ対面で率直に学術的議論をすることの重要性につき確認があった他、世界秩序の再構成と北極ガバナンスのあり方、いわゆる北極エクセプショナリズムの妥当性、中国との関係、ウクライナ危機の平和的解決の可能性などにつき質問がありました。これに対しセルグーニン教授からは、ウクライナ危機の背後にある西側諸国の最近の動向、ウクライナ問題に対するロシアの戦略、フィンランド・スウェーデンのNATO加盟とウクライナ問題の違い、中ロ関係の最近の変化、BRICs枠組みの活用、国際裁判による平和的解決は困難であろうなど、核心に迫る回答がなされました。ウクライナ侵略が進行中の情勢下でこそ、ロシア人の北極域研究の権威と対話ができる機会は貴重であり、有意義なセミナーとなりました。
2022年4月22日
このウェブページは北極域の持続的利用の観点から特に関連する7つのキーワード:国際法・人々・LNG・航路・漁業・汚染・将来に基づいて関連する国際法を解説しています。北極域にアクセスする日本のステークホールダーに向けて、国際ルールに基づいた行動指針を提示することを目的として作成されました。「さらに学ぶ」では、最新の研究成果や国際法教科書の関連情報なども紹介しています。「関連する国際法・国際文書」では関連する条約・国際文書にアクセスできます。このウェブページは、三井物産環境基金2019年度研究助成「国際法規範の実施による北極資源の持続可能な利用の実現」の研究成果の一部として作成されました。神戸大学のプレスリリースもご覧下さい。
2022年4月4日
ArCS Ⅱ国際法制度課題ブリーフィングペーパー・シリーズ(BPS)第7号“Ocean Acidification in the Arctic – Scientific and Governance Responses(北極域の海洋酸性化–科学的およびガバナンスの対応)”が発行されました。この第7号は、2021年11月に開催された第14回極域法国際シンポジウム(PLS)にて設置されたArCS Ⅱ課題間連携特別セッション「人新世における極域ガバナンス:海洋酸性化を題材に」に基づいて、PLSフェローとして採用された大学院生、ジェン・エヴァンス氏(米国デンバー大学)が、ArCS II国際法制度課題代表の柴田教授と共にファクトシートとして編纂したものです。このファクトシートでは、海洋酸性化問題について国際法学的研究を続けるティム・スティーヴンズ教授 (オーストラリア・シドニー大学)と、極域での海洋酸性化のメカニズムを探る観測と研究を続ける原田尚美氏 (海洋研究開発機構)によるPLSでの研究報告に基づき、最新の科学調査の状況とそれに対する極域ガバナンスの現状について解説しています。 プレスリリースと文書のダウンロードは こちら 。